ITストラテジスト午後2 平成28年問3 「IoTに対応する組込みシステムの製品企画戦略について」 (その1)

こんばんは。Cobbyこと小林 健了です。

本日は、ITストラテジスト午後2 平成28年問3 「IoTに対応する組込みシステムの製品企画戦略について」についてコメントいたします。

この問題の類題は平成24年問3 「技術動向の分析に基づいた組込みシステムの企画について」となります。本問では、「技術動向の分析」として、IoTに限定した、と考えることができるでしょう。
この問題の特徴は、設問イで「既存システムを基にしたIoTの活用」「IoTを実現する統合システム」という2種類の解答のいずれかを選択できることです。特に、後者については、今まで出題されていない「組込みシステムのITストラテジストとエンタープライズ系のITストラテジスト」の連携について解答することが求められています。今回は、設問イで「既存システムを基にしたIoTの活用」を選択した場合の記事となります。

設問アでは、「IoTに対応する組込みシステムの製品企画の概要、企画に至った経緯、既存システムの市場、新分野、新市場の内容と特徴が問われています。
製品企画の概要では、問題文に指定はありませんので、準備した内容で対応します。企画に至った経緯については、
問題文にあるように、インターネットの普及により組込みシステムの利用を拡大させる、となります。ただ、ITストラテジストとして、
単に組込みシステムの利用を拡大させるということにとどまらず、自社製品の競争力を高める、事業を優位に展開する (平成28年問1から引用) 、新規市場に参入するというところまで言及するとよいでしょう。
既存システムの市場としては、特定の領域・環境を対象とする狭い市場を記述するとよいでしょう。新分野としては監視・制御がよいでしょう。新市場は問題文に記述はありませんが、組込みシステムに合わせて新分野に進出しやすい新市場を選定するとよいでしょう。

設問イでは、どのような観点・手順でIoTを活用すべきシステムを選択し、新たな価値を付加したかを解答します。
問題文の記述だけでは分かりにくい点はありますが、
・どのような観点でIoTを活用すべきシステムを選択
・どのような手順でIoTを活用すべきシステムを選択
・付加された新たな価値
を解答するとよいでしょう。
なぜならば、問題文に「IoTに活用すべきシステムを選択し、製品企画を立案する」とあるので、この一文と設問文の比較を行うと
「新たな価値を付加したか」 = 「製品企画を立案する」に対応しているからです。
設問イの骨子としては、組込みシステムが外部との情報のやり取りを行うことが可能となることを根拠とした「情報の利活用によるサービス」が可能となるか、「データ解析による新たな価値の創造」が可能となるか、という観点を設定します。
観点を設定した後は、事例調査、調査に基づいた分析、関連部門との協議という手順でシステムを選定します。
最近の過去問では、今回を含め3年連続で関連部門との協議、作業指示、作業結果評価といった、関連部門とのやり取りが発生しています。これら、定番として解答できるようにしましょう。
事例調査や分析の具体的な手順については、平成28年問2の3例を援用するとぶれずに書ききることができるでしょう。
今回の設問イでは2通りの回答が可能となる反面、問題文に記載されたヒントの分量が少ないため、書ききるにはいかに自らで内容を具体化できるかがキーとなります。

設問ウでは企画に対する評価と今後の改善や発展について問われています。
問題文のヒントがありませんので、自らの知見を基に書く必要があります。
ですが、おそらく、ノーヒントで評価、改善点、発展させるべき点を解答しても、おそらく「開発者の視点で製品自体の評価を書く」というケースが多発する可能性が高いと考えています。
これを防ぐためにも、組込みシステムのITシステムの午後2 問3の問題を今のうちに確認しましょう。
いずれの問題でも、製品の競争力を高める、市場優位性を確保する、付加価値を高めるといった点が問われていますので、
・売上、利益、シェアが伸びたか
・顧客から講評の声を受けているか
・その他、組込みシステムが属する事業の事業目標を達成できたか
という観点で評価するとよいでしょう。
これらを基に改善点や発展させるべき点を解答します。
午前2で出題される「アンゾフの成長モデル」を基に、製品の拡大だけでなく市場の拡大についても解答できると、ベターですね。

本問は、1問で複数通りの解答が可能なように (組込みシステムのITストラテジストにとっては実質的に4問中1問解答可能となっている) 工夫はされていますが、反面問題文のヒントが少なくなっているので書ききるには具体性を現場で編み出せる必要があります。問われていることは平易ですがアウトプットされた論文においては実力差がかなり出ていると思います。

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小林 健了

Author:小林 健了
取得資格: 中小企業診断士、技術士(電気電子部門)、情報処理技術者 (ITストラテジスト等) 。主にITや製造現場の観点から、企業経営、コンサルティング、技術について情報提供してまいります。

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