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ITストラテジスト午後2 平成28年問2 「IT導入の企画における業務分析について」

こんばんは。Cobbyこと小林 健了です。

本日は、ITストラテジスト午後2 平成28年問2 「IT導入の企画における業務分析について」について
コメントいたします。

この問題の類題は平成21年問2 「情報システム活用の促進策の立案」その他
ITを活用したテーマ全般です。
その中でも、「真の原因」「真の問題」を発見させて、そこに向けた解決策を解答させている点、平成21年問2と
同様の傾向を見て取ることができます。

設問アでは、事業目標の概要、事業特性及び業務分析が必要となった背景が問われています。
事業目標の概要と業務分析が必要となった背景には、問題文内に例示があるのでそれにしたがって対応しましょう。
事業目標は「事業全体の業務の効率向上・スピードアップ」といった業務改革に関する事項、
「新規事業による売上拡大」といった新規事業に関する事項のいずれかを設定します。
特に業務改革のほうでは、単なる業務の効率向上ではなく、全体最適化の視点が求められます。
業務分析が必要となった背景には、既存のITがボトルネックとなっている、もしくは新しいITにより
業務改革、新規事業が実現できる事例が増えていることを解答します。
事業特性については準備した内容で対応します。ここで、設問イの性能要件に回答できるよう、
対象組織や対象事業の規模を定量的に記載することを推奨します。

設問イでは、真の問題を発見し原因を究明した際の手段及び工夫、機能と性能の条件を含んだIT導入の企画内容が
問われています。
今までの採点講評の内容を考慮すると、試験会場で「表面的な問題の解決に終始しないようにしよう」
「単なるシステム改善にならないように注意しよう」といったことを留意できるくらいに準備する必要がありました。
問われていることは平易ですが、アンチパターンにはまりやすい点、採点基準が高くなっている可能性が高い点には
十分に留意する必要があるでしょう。
それだけ、真の問題への対応や設問内での真の問題発見からIT導入の企画内容までがつながっていることが重要と言えます。
問題文に記載されている前提として、このプロセスは、ITストラテジストが一人で行うのではなく、事業部門と一緒に
作業したストーリーとします。

真の問題を発見するまでの手段には、業務内容、業務プロセス、IT活用などの現状調査、問題の関連付け、潜在化している問題の発見、経営全体の俯瞰等による真の問題の発見、を行うことが求められます。
その原因の究明については問題文で例示されていないので、自身で考えます。
工夫については業務の可視化、フレームワークの活用による全体の網羅性確保及び事例調査が紹介されています。
基本的に真の問題の発見から原因の究明までと上記の工夫の関連は問題文に例示されていないので、自分で考える必要はあります。
この中で事例調査の折り込み方法が難しいかもしれませんが、原因の究明までの時点で事例調査を行うため、
論旨の組み立てとしては「事例ではこのようなITを使って成功した、だから自社でもこのITを使おう」というよりは
「事例ではこのような問題を抱えていてこのような原因と特定した、そこにITを使って解決できたのだから
使ったITと元々の原因分析は正しかったと想定される」ということで、原因を推定するという位置づけでの
活用がよいと考えます。
また、冒頭の「新しいITにより業務改革、新規事業が実現できる事例」が増えていることについても、ここの事例調査で
改めて検証するというストーリーも有効です。
真の問題への対応としてのIT導入の企画の内容も問題文には記載されていないので、自分で考えます。
機能は、真の問題や原因に対応したものである必要があります。
性能は定量的に記載すること、その意味では設問アの時点で対象組織の規模を定量的に記載しておく必要があります。

設問ウでは、事業部門への投資効果の説明及び改善すべきことについて問われています。
ここでは投資効果だけ答えればよいように思われるかもしれませんが、問題文の
「その上で、投資規模、ITの導入範囲などを検討し、事業部門に対してIT導入の投資効果を説明する必要がある」
という記載に注目します。設問イでは投資規模やITの導入範囲などは問われていませんので、設問ウの構成としては
・投資規模の検討
・ITの導入範囲の検討
・コスト削減効果や売上増加効果の検討を含んだIT導入の投資効果の説明
・改善すべきこと
という流れになるでしょう。
最近の設問ウでは「報告先にはとりあえず投資効果を説明して見やすいプレゼンを行った、と書いておこう」という方も
ある程度いらっしゃるかもしれません。他方、問題文を吟味すると設問ウで他に回答すべきことが見出されることもあります。
問題文をしっかりと読みながら設問ウにも対応していきましょう。

情報処理教科書 高度試験午後I記述 春期・秋期」にインタビューを、
情報処理教科書 高度試験午後II論述 春期・秋期」に体験記を寄稿しておりますので、
秋試験の学習に向けて是非ともお読みくださいませ。



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プロフィール

小林 健了

Author:小林 健了
取得資格: 中小企業診断士、技術士(電気電子部門、総合技術監理部門)、情報処理技術者 (ITストラテジスト等) 。主にITや製造現場の観点から、企業経営、コンサルティング、技術について情報提供してまいります。

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